『腰痛の人は腹筋をした方が良い』という言葉を一度は聞いたことがないでしょうか?
実際にスポーツクラブに勤めていた際に『腰痛なのは腹筋が弱いからですね』と接骨院や、整形外科で言われ腹筋を鍛えるメニューを教えて欲しいとお声を頂いたこともありました。
しかしながら、それは真実なのでしょうか?
駆け出しの学生時代はそれが最適だと信じ要望のまま腹筋のトレーニングをお伝えしていた私ですが、
当然1+1=2の様な簡単な答えの出し方では、それに該当する方しか改善が見込めない為、今回腰痛にまつわる様々な情報を発信したいと思います。
寝起きなどに感じる腰痛は腹筋をするべきか?ご自身の腰痛の状態は?
寝起きなどに感じる腰痛は腹筋をするべきか?腰痛には種類がある
『寝起きなどに感じる腰痛は腹筋をするべきか?』を考えていくにあたりまず、腰痛には実は大きく分けて2種類存在していることを知る必要があります。
基本的には腰椎(背骨の中の腰の部分)は生理的に緩やかな前弯の形をしており、その緩やかな湾曲に異常が生じると寝起きや立ち姿勢の際などに腰痛を感じるようになると言われています。
そして、その種類ごとの対応の一つに腹筋群の力が抜けてしまって起こるものがあるため『腰痛=腹筋』というイメージが世に出回ってしまっているのだと思われます。
しかしながら、腹筋で対応できるのは2種のうちの一方のみであるため、もう1種の腰痛に該当する場合は腹筋を実施しても効果が出なかったり、かえって逆効果を生む可能性があるため注意が必要になります。
寝起きなどに感じる腰痛は腹筋をするべきか?自分の腰痛の判定方法
『寝起きなどに感じる腰痛は腹筋をするべきか?』を考えていくにあたり腰痛は大きく分けて2種あると前述しましたが、その2種とは
①腰椎の湾曲が急になってしまっているケース
②腰椎の湾曲が無くなってしまっているケース
の2種になり、①腰椎の湾曲が急になってい待ってるケース については本来緩やかにカーブを描くところが急カーブになってしまっている世の中的に言えば『反り腰』と呼ばれるケースになります。
それに対し②腰椎の湾曲が無くなってしまっているケース については本来緩やかにカーブを描くところが直線に近づいてしまっている状態になります。※一見直線的で姿勢が良く思えますが湾曲は人体において必要であり、無くなってしまうと様々な個所に弊害が出ます。
識別方法として簡易的なのが、床に仰向けで寝て腰部に横から手のひらを入れていく方法になります。
特に問題のない場合は、手のひらを横から入れた際に、背骨(からだの中心を一本通る骨)のところで指の第二関節程度のところで閊える程度の腰の浮き具合になると言われており、
それよりも浮き具合が高い(手のひらがもっと入る) ➡ ①腰椎の湾曲が急になってしまっているケース
それよりも浮き具合が低い(手がほとんど入らない) ➡ ②腰椎の湾曲が無くなってしまっているケース
という形でタイプを簡易的に識別します。
※また、傾向で言うと①のケースは立っている時に腰痛を感じることが多く、②のケースは座っている時に腰痛を感じることが多いので、普段日常的にどの体勢が辛くて、どの体勢はそれほど辛くないのか確認しておくことも合わせてお勧めします。
寝起きなどに感じる腰痛は腹筋をするべきか?自分の腰痛に対しての基本方針
さて、ご自身の腰の状況が簡易的にもタイプ別で識別できたら、基本方針を考えます。
①腰椎の湾曲が急になってしまっているケース
これについては、ざっくばらんに言いますと上体で考えれば極度に身体を反らせてしまっている状態、骨盤で考えれば前傾状態になってしまっているとも言い換えられる為、
アプローチのNGとしては
・腰をそらせる動きや、そこで使われる筋肉の緊張はNG
・骨盤の前傾に関与のある筋肉の緊張はNG
となります
②腰椎の湾曲が無くなってしまっているケース
こちらについては①の内容とは真逆になり、上体については丸まっているような状態、骨盤で考えれば後傾状態になってしまっているとも言い換えられる為、
アプローチのNGとしては
・腰を丸める動きや、そこで使われる筋肉の緊張はNG(腹筋運動NG)
・骨盤の後傾に関与のある筋肉の緊張はNG
となります
運動をされている方や、日常的に身体を動かすことの多い方に関しては基本方針を頭の片隅に入れて、NGな動作を極力控えることにも注力しましょう。
寝起きなどに感じる腰痛は腹筋をするべきか?腰痛に対しアプローチしてみる
寝起きなどに感じる腰痛は腹筋をするべきか?腰痛に関与している筋肉にストレッチをかけて見る
寝起きなどに感じる腰痛に対しての基本方針が決まった後のアプローチ方法
1つ目がストレッチをかける方法になります。
①腰椎の湾曲が急になってしまっているケース
②腰椎の湾曲が無くなってしまっているケース
それぞれの対処方法として、過度に緊張してしまっている筋肉にストレッチをかけて緩めることで、腰椎をもとの緩やかなカーブに戻していくことを狙う方法になります。
それぞれのケースに対し、緊張している可能性のある筋肉は下記の通りです。
①腰椎の湾曲が急になってしまっているケース
・脊柱起立筋
・大腿四頭筋
・大腿筋膜張筋
・腸腰筋
・広背筋 など
大まかにまとめると『腰』『腿の前』『脚の付け根』『背中』になります。
※上半身は後ろ側、下半身は前側とも言えます。
②腰椎の湾曲が無くなってしまっているケース
・腹直筋
・大胸筋
・ハムストリングス
・大殿筋
・中殿筋 など
大まかにまとめると『お腹』『腿の裏』『お尻』『胸』になります。
※上半身は前側、下半身は後ろ側とも言えます。
実際にストレッチを行うと固く感じる方も多いかと思いますので、
・反動を付けずに少しずつ
・何回も
・痛すぎない範囲で
という点を意識して、できる限り習慣化してい行いましょう。
寝起きなどに感じる腰痛は腹筋をするべきか?腰痛に関与している筋肉に刺激を入れて見る
寝起きなどに感じる腰痛に対しての基本方針が決まった後のアプローチ方法
2つ目が筋肉に刺激をいれる方法になります。
固くなってしまっている筋肉にストレッチをかけることについては多くの方がイメージの湧く内容かと思いますが、筋肉に刺激を入れること(軽い筋トレやエクササイズ)で腰椎をもとの緩やかなカーブに戻していくことを狙う方法もあります。
※イメージはテントを立てるようなもので、中心に立つ支柱に対し布を被せ、布の端を双方から引っ張る事で安定してテントを張る事が出来ますが、どちらか一方が引っ張る力が強いと支柱は強く引く方へ傾き、安定してテントを張る事はできません。
筋肉も同様で、緊張している筋肉はテントの布を強く引っ張ってしまっている側と同様の状態で、ストレッチはその強い引っ張りを緩める方法で、筋肉に刺激を入れる方法はテントの布の引っ張りが弱い側の引っ張りを強く促すことでバランスを安定させる方法になります。
①腰椎の湾曲が急になってしまっているケース
・腹直筋
・大胸筋
・ハムストリングス
・大殿筋
・中殿筋 など
大まかにまとめると『お腹』『腿の裏』『お尻』『胸』になります。
※上半身は前側、下半身は後ろ側とも言えます。
②腰椎の湾曲が無くなってしまっているケース
・脊柱起立筋
・大腿四頭筋
・大腿筋膜張筋
・腸腰筋
・広背筋 など
大まかにまとめると『腰』『腿の前』『脚の付け根』『背中』になります。
※上半身は後ろ側、下半身は前側とも言えます。
お気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、ストレッチと真逆の内容になります。
関節の動きを生み出す筋肉ですが 曲げる・伸ばす など、関節の動きは2つ以上存在し
一つの動きや筋肉に対して、必ず対になる動きや筋肉が存在します。
不調や姿勢の崩れには大抵、対になる筋肉同士で見た時のバランスの不均衡やどちらかの拘縮などがあります。
トレーニングをされていて腰痛などを引き起こしている方については『胸ばかり鍛えている』などのトレーニングメニューの偏りがないか確認し、トレーニングの部位だけでなく 縦・横、引く・押す などの動きから見てもバランスが取れているように組んでいくことをお勧めします。
寝起きなどに感じる腰痛は腹筋をするべきか?腰痛を脳みそレベルで考えて見る
寝起きなどに感じる腰痛に対しての基本方針が決まった後のアプローチ方法
3つ目は腰痛を脳みそレベルで考えるというアプローチになります。
こちらについてはストレッチや筋刺激とは異なり、一人一人が持っている身体のセンサー(固有受容器)から得る刺激(固有感覚)によって形成された身体の地図(ボディマップ)から考える方法になります。
※この方法は例えるなら、『まっすぐ立って』と言われて本人はまっすぐ立っているつもり(感覚)でも、実際はまっすぐ立てていないというような身体感覚と実際のギャップを埋めていくような方法になります。
不鮮明なボディマップを鮮明にしていくことを『ボディマッピング』と呼んだりします。
具体的には身体の部位を 触れる・動かす ような形で得られる情報や感覚を脳に送り(インプット)その正確な情報がたくさん入ってくることによって、その部位の脳からの認識を高めることでボディマッピングは鮮明化していきます。
※感じることができなければ動かすことはできないので、不鮮明な個所は自然と動かなくなりますし、脳が危険と認知して防衛反応として固めたり、痛みとして感じたりします。逆を言えば鮮明感が高まる事で、低下していた筋出力が向上したり、痛みや不調を解消する方向へ向かわせることが期待できます。
鮮明度を上げる方法は主に
・見ること(模型や骨格や筋肉の図を見ること)
・触れること(実際にその場所がどこか触れること)
・描くこと(自分の感覚を頼りに筋肉や骨などの配置を書いてみること)
などで鮮明度を上げる事ができ、それによって『動かすこと』ができるようになればそれをすることでさらに鮮明度は増していきます。
寝起きなどに感じる腰痛は腹筋をするべきか?BodyMakeStudio100mile.がサポートできること
寝起きなどに感じる腰痛は腹筋をするべきか?パーソナルトレーニング
寝起きなどに感じる腰痛に対しBodyMakeStudio100mile.がサポートできること、その1がパーソナルトレーニングです。
内容としては前述したアプローチでいう所の『ストレッチ』と『刺激を入れて見る』に該当するのがこちらです。
お話を伺い、身体の固さを確認し、腰の浮き具合などをチェックした上で、実施すべきストレッチや軽い運動などをご案内いたします。(場合によっては腹筋運動などもお勧めすることもありますが、腹筋を6つに割るようなハードなものではありません)
その他、お話を伺う中で見えた日常生活での気を付ける点や、実施すると良い習慣なども詳細にご案内いたします。
寝起きなどに感じる腰痛は腹筋をするべきか?リラクゼーション筋膜リリース
寝起きなどに感じる腰痛に対しBodyMakeStudio100mile.がサポートできること、その2がリラクゼーション筋膜リリースです。
こちらについては『腰痛を脳みそレベルで考える』という点に該当します。
具体的には手技を用いて筋膜の張り付き(癒着)を解消し、緊張を解いたり動きを良くしたり、血流を促し回復を早める効果が期待できる内容になります。
脳から解釈すると『不鮮明』と認識されてしまった身体の部位に触れて、筋膜を動かす手技を行うことでセンサー(固有受容器)に働きかけ、情報を与えて鮮明化を図ることで、動きを良くしたり、痛みや不調を解消する方向へ向かわせます。
※お店で行う手技の他、ご自身でも触れる、動かすなどで情報や感覚を脳に送ること(インプット)を実施していただくと尚良いかと思います。
寝起きなどに感じる腰痛は腹筋をするべきか?骨格ベクトレ
寝起きなどに感じる腰痛に対しBodyMakeStudio100mile.がサポートできること、その3が骨格ベクトレです。
こちらについても『腰痛を脳みそレベルで考える』という点に該当し、リラクゼーション筋膜リリースよりもより質の高い手技になります。
骨格ベクトレはリラクゼーション筋膜リリースでの内容に加え、背骨のしなやかさを取り戻す手技や、脚を骨盤にはめ込む手技などが加わり、立つ・歩くなどの動作の際に身体にかかる負担が特定の個所に偏る事を防ぎます。
腰痛などを引き起こしている原因が痛みを発症している個所以外にある場合、根本的な部分から整えることが必要となります。
骨格ベクトレはその根本的な部分に働きかけるため、痛みを発症している部分に働きかける対処療法で同じような状態を繰り返してしまう方や、腰痛以外の不調もお抱えの方はコチラをお勧めいたします。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
一言で『寝起きなどに感じる腰痛』と言えど種類があり、必ずしも腹筋だけで片づけられるものではなく、その種類ごとに対処方法は異なります。
そしてその対処方法もストレッチだけでなく、筋肉へ刺激を入れる事や、脳や神経などの反応を考えるものまで様々あります。
BodyMakeStudio100mile.では『○○』が一番良い、唯一無二であるという感覚は持たずに、お話を伺った上でご本人に合う内容やご希望される内容をご提案させて頂きます。
世の中にあふれる情報は大分多くなってきていますので『腰痛はこれをやれば大丈夫!』『これで一瞬で良くなる!』というタイトルの内容に期待しつつも、ご自身の状態に合うかどうか冷静に考えて実施していただけると良いかと思います。
お読みいただいている方が健康であります様に!
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このコラムを書いた人
深谷のパーソナルジム・100マイル代表 後藤貴明
取得資格
- adidasパフォーマンストレーナー
- NSCA-CPT
- 骨格ベクトルトレーニング認定インストラクター
など
メッセージ
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