『最近太ってしまって、体重を落として減量しなくては』『ダイエットして綺麗になりたい』など
世の中には痩せたくて仕方ない人がたくさんいらっしゃいますが、多くの方が悩むのが食事の管理『カロリー計算』になります。
『○○ダイエット』の様に特定の何かだけ食べ続けて痩せる減量方法が、健康に良かったら楽なのですが…
そうもいきませんので、健康的に体重管理ができるようになるためのカロリー計算方法についてご紹介したいと思います。
是非電卓片手に計算してみて下さい!
減量・ダイエットの為のカロリー計算 事前知識
脂質制限と糖質制限 どっちが良いのか
最近巷で聞く『脂質制限』と『糖質制限』ですが、ぶっちゃけどっちがどう良くて、どっちにしたら良いんですか?
というように悩む方も多々いらっしゃることと思いますので、大まかに内容と特性をまとめたいと思います。
脂質制限
ざっくり言うと3大栄養素、脂質・炭水化物(糖質)・タンパク質の中の『脂質』を摂り過ぎないように気を付ける減量方法です。
非常にわかりやすく言うと、油っぽいお肉よりも比較的油分の少ないお肉を食べたり、揚げ物を摂らないようにするようなイメージです。
メリットとしては炭水化物も食べながらの減量になるので、お米などの主食が好きな方や、エンゲル係数(食費)を高くしたくない方にお勧め。
糖質制限
ざっくり言うと3大栄養素、脂質・炭水化物(糖質)・タンパク質の中の『糖質』を摂り過ぎないように気を付ける減量方法です。
脂質制限と比較してほぼ一切の炭水化物や糖質を断ち、その代わりに脂質を取る事でエネルギーを補充しながら減量を行います。メリットとしては油分の多いお肉も食べる事ができ、比較的体重が減るスピードが早い減量方法になります。
それぞれの比較
短期間で派手に体重を落とせるのは『糖質制限』
その理由としては減量によって体脂肪の他、体水分量も大きく減少するため『体重』という観点でのみ評価するならば糖質制限の方が減量幅は大きくなりやすいと言えます。
※2ヶ月や3ヶ月で○○kg減量に成功しました!という大きな減量幅を広告宣伝するパーソナルジムなどは、主にこの糖質制限での減量を実施しているのがほとんどだと思われます。
筋力を残せるのは『脂質制限』
ウエイトトレーニングで使用される筋グリコーゲンの原料である糖質、炭水化物がしっかりと摂れる減量方法である脂質制限の方がトレーニングボリュームやそれに伴う筋力はある程度残せることと思われます。
※動物での実験ですが、脂質制限、糖質制限をそれぞれ実施した後の筋量を測定した時に脂質制限の方が筋量が残っていたという結果もあります。
コストが安く実施できるのは『脂質制限』
糖質制限は、ほぼ一切の炭水化物を摂らない代わりに良質な油や、肉魚などを積極的に摂る事になるためエンゲル係数は高くなります。
※また、糖質制限の場合『ケトン臭』という独特の体臭を放つ場合があるので、体臭が気になる場合も脂質制限をお勧めします。
短期間で急激な減量幅でのダイエットを実施すると、身体にかかる負担も大きいためBodyMakeStudio100mile.ではある程度の期間をもって緩やかに減量していくことをお勧めしていますので、基本は『脂質制限』を推奨しています。
カロリー計算するメリット・デメリット
カロリー計算をするメリット・デメリットについてもお伝えしておこうと思います。
カロリー計算での大きなメリットは、ある程度の物差しを持って減量を実施していくことができる点です。
簡単に言えば皆さんが車でドライブをする際に、目的地に行く為の順路がある程度ある状態で車を発進させるのか、目的地が『西』や『東』などの大幅にアバウトな状態で車を発進させるのかの違いだと思います。
なおアバウトな状態で車を発信すると、途中経過で確認した際にゴールから道が逸れていたとして、その原因究明が難しくなります。なので、最初は少々面倒でもカロリー計算でおおよその順路を確認しておくことをお勧めします。
カロリー計算を実施した際のデメリットは、計算を過信しすぎる可能性がある点です。
前述した内容と若干矛盾した内容に聞こえますが、カロリー計算には個体差という落とし穴があります。
そもそもカロリー計算を実施しておおよその摂取カロリーの目安量が出たとしても、その算出方法が完璧に正確な摂取カロリー量であるとは言い切れませんし、仮に完璧で正確な量を導き出せたとしても、摂取する栄養やその量が正確にそのカロリーである保証はないため、カロリー計算を絶対の様に過信しすぎると上手くいきません。
例えるなら、魚の栄養成分や肉の栄養成分表はありますが、1匹1頭での脂の乗り方に個体差は生まれますし、産地によっても栄養成分に様々違いは出ます。
加えて、消化吸収能力に関しても人間ごとコンディションや個体差はあります。
カロリー計算とはそういった個体差を含まない計算上での理屈の話であるため、実施してみての微調整や軌道修正は必要としますし、机上の理屈だけを過信しすぎる事はお勧めしません。
カロリー計算する上での優先順位
カロリー計算する上での手順や優先順位についてもお伝えしておきます。
・総消費カロリーを計算しましょう
・無理のない摂取カロリーを設定しましょう
・PFCバランスに当て込めて計算しましょう
・食材、摂取タイミング、摂取方法などを気を付けます
1.総消費カロリーを計算しましょう
まず大前提として、減量やダイエットで痩せていくためには摂取カロリーよりも総消費カロリーが上回らなければなりません。
摂取カロリーの目安を計算していくためにも、まずはご自身が今の生活でおおよそどの程度カロリー消費をしているのかを計算する必要があります。
※総消費カロリーは体重が変動しないカロリーでもあり、毎日消費する分だけ摂取していれば体重に変動は起こりません。
なお総消費カロリーは主に『基礎代謝』『活動代謝』『食事誘発性熱産生』の3つに分けられ、減量・ダイエット時にはおおよその概算をするとともに、それぞれの消費を高めていくことが重要になります。
2.無理のない摂取カロリーを設定しましょう
このステップでは期間と設定する摂取カロリーにおいて、身体に無理が生じないかを確認します。
まず、体脂肪を1kg落としたい時には約7200~7700キロカロリーのマイナスを作らなければなりません。
仮に7700キロカロリーとして計算した場合、1ヶ月を30日とすると1日約257キロカロリー(7700÷30=256.66…)を総消費カロリーからマイナスし、そのカロリー摂取を30日続ければ良い計算になります。
しかしながらここで大事なことがあります。
それは減量するために設定した摂取カロリーが『基礎代謝』を下回る場合は、健康を害する恐れがあるという事です。
例えば
基礎代謝1200で総消費カロリーが1560、1ヶ月で2kg脂肪を落としたい場合
脂肪2kg(7700×2)÷1ヶ月(30)=513.3333… 1日513キロカロリーマイナスする必要があり、
総消費カロリー(1560)-1日(513)=1047 摂取カロリーを1047キロカロリーに設定する計算になり、この数値は基礎代謝の1200を下回る計算になります。
基礎代謝のカロリーは運動をしなくても消費するカロリーになり、身体の生理機能を考えた時に摂取しなくてはならない最低限のカロリー量であるとも言え、その数値を下回るカロリー摂取量での減量はトレーナーとしてお勧めできません。
※なので、ここの計算上無理が生じている場合は減量幅の設定の見直しや活動消費量を増やすことが必須になります。
(個人的には減量幅の再考をお勧めします)
3.PFCバランスに当て込めて計算しましょう
PFCバランスとは、1食だったり、1日当たりの摂取する P(タンパク質) F(脂質) C(炭水化物)の割合やバランスのことを指します。
このPFCバランスについては、健康に過ごす目的でのPFCバランスの他、脂質制限時のPFCバランス、糖質制限時のPFCバランスなど、それぞれの減量方法や生活場面での目安になりますので、言葉として知っておいて損はないかと思います。
※あくまでもそれぞれのバランスや割合の話なので、総量、総摂取カロリーについてはカロリー計算にて設定した目安を意識する必要はあります。
ちなみに減量時ではなく健康を目的とした一般の食事摂取PFCバランスは下記の通りです。
P(タンパク質)=15~20%
F(脂質)=20~30%
C(炭水化物)=65~50%
※脂質制限の際の計算方法については後述します。
4.食材、摂取タイミング、摂取方法などを気を付けます
このステップでは細々した部分のお話になります。
例えば摂取する炭水化物(糖質)の量が決まったら、どの食品で摂るべきかGI値(血糖値の上がるスピード)を考慮して選んだり、活動量を考慮して夜の食事を気持ち少なめにしてみたり、間食を用いて食事と食事の時間が極端に開かないようにしたり、血糖値が急激に上がらないような食べる順番であったり、咀嚼回数を増やすためにあえて食材を大きめに切ったりなどの話になります。
ステップ1~3までが完了すればおおよその数値的な部分は確認できるため計算が大変なのは最初だけです。
※再計算していくのは減量やダイエットが進んでからになります。
ステップ4については計算ではなく、実行の話になるので日々意識する必要があります。
例
ステップ1~3はカーナビに住所を入力する過程
ステップ4は実際に車を運転する過程
いざ、カロリー計算へ(脂質制限)
まずは自分の総消費カロリーを出してみよう
まずは自分の総消費カロリーを算出しましょう。
算出方法は下記の通りです。
1.自分の体脂肪率を測定してきましょう
これについては市販の体重計や、スポーツクラブに設置されている体組成計などで測定をお願いします。
※そもそもこの体重計や体組成計での体脂肪率測定のタイミングで多少の誤差は出ます。なのであくまでも目安程度に考えましょう。
2.体重に体脂肪率をかけて、体脂肪量(重さ)を出しましょう
例 体重60kgで体脂肪率20%の場合
60 × 0.2 = 12
この方は60kgの体重の内、12kgが体脂肪であるという事になります。
3.体重から体脂肪量を引いて徐脂肪体重を出しましょう
例 体重60kgで体脂肪率20%の場合
先ほどの計算で12kgが体脂肪量であったため、
60 - 12 = 48
この方の徐脂肪体重は48kgになります
4.徐脂肪体重に28.5をかけて簡易的基礎代謝量を出しましょう(28.5は定数になります)
例 体重60kgで体脂肪率20%の場合
先ほどの計算で48kgが徐脂肪体重であったため、
48 × 28.5 =1368
この方の簡易的基礎代謝量は1368キロカロリーになります
5.簡易的基礎代謝量に生活活動強度指数をかけて総消費カロリーの目安値を出しましょう
生活活動強度指数は下記の通りです(定数になります)
・自宅でリモートワークやデスクワーク 1.3
・外回りなどで活動量が多い 1.5
・仕事で良く身体を動かす 1.7
・トレーニングを週に5~6回 1.9
※日によって違う場合は下に見積もっておいた方が良いと思われます。
例 体重60kgで体脂肪率20%の場合(毎日デスクワーク)
先ほどの計算で簡易的基礎代謝量は1368キロカロリーであったため
1368 × 1.3(デスクワークの為) =1778.4
この方の総消費カロリーの目安は1778キロカロリーになります
※ここまで計算できたら、簡易的基礎代謝量と総消費カロリーの目安はメモしておくと良いでしょう(この後使います)
目標に対しての設定カロリーを計算しよう
次に、先ほどの計算から算出した数字から目標設定が正しいかの確認と、設定カロリーを計算してみましょう。
まず、先ほどの例の方『体重60kgで体脂肪率20%の場合(毎日デスクワーク)』であれば、簡易的基礎代謝量は1368キロカロリーで総消費カロリーの目安は1778キロカロリーになります。
つまり、この方は1日に消費するであろうカロリーが1778キロカロリーであるため、1日の摂取カロリーが1778キロカロリーであれば体重は変わらず、それ以上であれば体重は増え、それ以下であれば体重は減るという事になります。
それも踏まえて、今度は減量幅について考えます。
仮に『1ヶ月で1kg脂肪を落とす』と仮定しましょう。
体脂肪1kgの減量が7200~7700キロカロリーのマイナスが必要であるため、今回キリ良く7500キロカロリーと仮定して1ヶ月を30日とすると
7500 ÷ 30 = 250 1日に250キロカロリーのカットが必要になる計算になります。
ここでその目標が健康的に遂行可能かどうかをチェックします。
総消費カロリーから1日のカロリーカット分を引いて、簡易的基礎代謝量のカロリーよりも少なくならないか確認します。
この例だと
・総消費カロリー 1778キロカロリー
・1日のカロリーカット分(1ヶ月で1kg減量) 250キロカロリー
・簡易的基礎代謝量 1368キロカロリー
なので、
1778 - 250 = 1528 減量時の摂取目安カロリーが1528キロカロリーであるため、簡易的基礎代謝の1368キロカロリーを下回らない為、実施して大丈夫であろうという結果になります。
まとめると『体重60kgで体脂肪率20%の場合(毎日デスクワーク)』の方が、『1ヶ月で1kg脂肪を落とす』ためのカロリーコントロールは『1日1528キロカロリー』にすることとなります。
(1日3食で計算するならば1食 509キロカロリーとなります)
上記の計算結果は次のPFCバランスを計算する際に必要になりますので、メモしておきましょう!
※ちなみに1ヶ月に脂肪を2kg落とす計算だと、1日のカロリーカットが500キロカロリーになり
1778 - 500 = 1278 となり、1278キロカロリーは簡易的基礎代謝の1368キロカロリーを下回るため、目標設定や運動量などを再考する必要があるという事になります。
PFCバランスも計算しよう
先ほどの1日や1食の目安摂取カロリーに対し、今度はPFCバランスを含めて計算します。
まず、計算するために先ほどの例で計算した数字をまとめておきます。
例 『体重60kgで体脂肪率20%(毎日デスクワーク)の方が1ヶ月で1kg脂肪を落とす』
・目安摂取カロリー 1528キロカロリー(1日)
そうしましたらPFCバランスの中で、計算する優先順位があるのでそれに沿って計算してみましょう。
1.P(タンパク質)
減量時のPFCバランスで最も重要に考えて頂きたいのがタンパク質です。
タンパク質に関しては下記の様に計算します。
『徐脂肪体重 × 2.3~3.1(g)』
※トレーニング実施を前提として、徐脂肪体重(筋肉)の維持するための摂取タンパク質量の目安が徐脂肪体重×2.3~3.1gと言われています。
例の『体重60kgで体脂肪率20%』の方の場合、徐脂肪体重が48kgであるため、
48 × 2.3~3.1 = 110.4~148.8 1日に摂取するタンパク質量の目安が110g~148gになります。
ここで重要なのが、この計算で出る単位は(g)グラムであるため、カロリー計算に活かす場合、単位をキロカロリーに変換しなければなりません。
そして、タンパク質は1グラムあたり4キロカロリーであるため計算して出た数字に4キロカロリーをかけて
110~148(g) × 4(キロカロリー) = 440~592(キロカロリー) となり、
目安摂取カロリー 1528キロカロリー(1日)のうち、440~592キロカロリー(1日)はタンパク質で摂取するべきであるという事になります。
2.F(脂質)
次に計算するのが脂質です。
脂質に関しては不要と思われがちですが、カットしすぎると身体における生理機能において悪影響があるとされていますので、総摂取カロリーの20%は摂る必要があります。
減量時の目安摂取カロリーの20%の計算は
1528 × 0.2 = 305.6 脂質の摂取目安カロリーは305.6キロカロリーとなります。
※今回の減量方法が脂質制限であるため、イメージとしては305キロカロリーに抑えるというイメージでいると良いかと思います。
3.C(炭水化物)
最後に計算するのが炭水化物(糖質)の量です。
先の計算でタンパク質と脂質の摂取目安カロリーが出ている為、炭水化物に関しては残った量というような感じになります。
ここまでの計算で、
目安摂取カロリー 1528キロカロリー(1日)のうち
・タンパク質 440~592キロカロリー(1日)
・脂質 305キロカロリー(1日)
であるため、目安摂取カロリーからタンパク質と脂質のカロリーを引いて、
1528 - 440~592 - 305 = 783~631キロカロリーが炭水化物で摂取する目安のカロリーになります。
<まとめ>
さて目安摂取のカロリーから、減量時のPFCバランスで各栄養素の摂取目安が計算できたので情報をまとめます。
例 『体重60kgで体脂肪率20%(毎日デスクワーク)の方が1ヶ月で1kg脂肪を落とす』
・目安摂取カロリー 1528キロカロリー(1日)
~内訳~
・タンパク質 440~592キロカロリー(1日)
・脂質 305キロカロリー(1日)
・炭水化物 783~631キロカロリー(1日)
さらにこれを3食として計算すると、
・目安摂取カロリー 509キロカロリー(1食)
~内訳~
・タンパク質 146~197キロカロリー(1食)
・脂質 101キロカロリー(1食)
・炭水化物 261~210キロカロリー(1食)
カロリー計算の仕上げ
カロリー計算結果を具体的な重さに変換する
前の文章までで、『カロリー計算』に関しては終了になります。
コンビニや、スーパーなどで出来合いのものを買う際には、パッケージの裏面に記載してある栄養成分表を確認し
必要な栄養素を下回らないようにかつカロリーオーバーを起こさないように食べるようにすればOKと思いたいところですが、
困ったことに、栄養成分の表記は主に
エネルギー○○キロカロリー
タンパク質〇グラム
脂質〇グラム
炭水化物〇グラム
といった具合に、グラム表記されていることがありカロリー表記ではありません。
加えて自炊をする際も、各栄養素の必要量についてはグラムとして知っている方が利便性が高いため、先ほどせっかく計算した1日や1食の摂取カロリー目安量を、グラム換算する必要があります。
安心してください!グラム換算は簡単です。
タンパク質1グラム 4キロカロリー
脂質1グラム 9キロカロリー
炭水化物1グラム 4キロカロリー
この関係性を覚えておきましょう。
例の場合
・目安摂取カロリー 1528キロカロリー(1日)
~内訳~
・タンパク質 440~592キロカロリー(1日)
・脂質 305キロカロリー(1日)
・炭水化物 783~631キロカロリー(1日)
これの内訳をグラム換算する場合、
タンパク質 440~592キロカロリー ÷ タンパク質1グラム 4キロカロリー = 110~148グラム
脂質 305キロカロリー ÷ 脂質1グラム 9キロカロリー = 33.8グラム
炭水化物 783~631キロカロリー ÷ 炭水化物1グラム 4キロカロリー = 195~157グラム
まとめると
・タンパク質 110~148グラム(1日)
・脂質 33.8グラム(1日)
・炭水化物 195~157グラム(1日)
という事になりまして、1日を3食で考える場合の1食は
・タンパク質 36.6~49.3グラム(1食)
・脂質 11.2グラム(1食)
・炭水化物 65~52.3グラム(1食)
となります。
ここまでくると、より活用しやすい数字になったと思いませんか?(笑)
カロリー計算を役立てるための方法
摂るべき栄養素の重さ(グラム)を把握できたら、今度は実際にそれを食事で生かしていきます。
活かすためのステップを3つ、それを実行するためのマインドセットを3つそれぞれご紹介します。
~活かすためのステップ~
1.普段よく口にするものから確認する
2.栄養成分のとがったものでタンパク質の必要量を確認する
3.スタンダードを食を作る
~実行するためのマインドセット~
1.段階を踏んでいくこと
2.1食の満点よりも平均点をあげていくこと
3.極端に一喜一憂しないこと
活かすためのステップその1~普段よく口にするものから確認する~
カロリー計算からご自身にとって必要なカロリーや栄養素の量を確認出来たらまず行っていただきたいのが、普段よく口にするものの栄養成分を確認することになります。
確認していく中で、良い意味でも悪い意味でも発見が多々あるかと思います。
特にここでは、『よく口にするものの中にある落とし穴』に気づいて頂くことが大切かと思います。
健康に良いと思って食べていたものが、案外少量でとんでもないカロリーだったことに気づいたり、その逆もまた然り。
大切なのは一定の物差しを持って、今の食生活を見ての『発見』や『気づき』を多く得ることです。
全く物差しがないままに『太る食品』と知っているのと、物差しを持ってどの程度影響を及ぼすのか理解した上で『太る食品』を見るのとでは見え方や、危機感が変わって感じることと思います。
※自炊での内容を確認する際は、各食品に含まれる栄養素やカロリー量を表示しているサイトなので照らし合わせてみましょう。
お勧めとしては『グリコ栄養成分ナビゲーター』などのサイトが使いやすくお勧めです。
活かすためのステップその2~栄養成分のとがったものでタンパク質の必要量を確認する~
今の自分のよく食べるものの栄養成分が確認できたら、今度は計算で出た必要量を実際に摂って見ます。
その際重要なのが、栄養成分のパラメーターがとがったもので必要量を確認するという事です。
例えば、食べるうえで優先的に摂っていただきたい『タンパク質』を含む食品の中でも特にそれを多く含む食品は、鶏のささ身や胸肉などがわかりやすいかと思います。
ささみは100グラムに対して23.9g 胸肉は皮なしで100グラムに対して23.3gのタンパク質を含むので(ネット調べ)
先ほど計算であげた例を用いると
・タンパク質 36.6~49.3グラム(1食)
ささみだと1食153g~206g 胸肉だと1食157g~211g 程度になります。
この量をまず食べてみて下さい。
人によって感じ方は分かれますが、多くの場合『こんなにお肉を食べるのか』という感想を抱くことと思います。
それで良いのです。そしてこの検証でささみや胸肉を使用することにより、それ以外の食品だとタンパク質含有量が下がるため、実質もっと量を摂らなければならなくなります。
この体験を通して『減量時に必要なタンパク質の摂取量は多いもの』と気づいて頂ければよいですし、タンパク質は『積極的に食べて欲しいもの』になるので、必然的にその他のものに関しては摂れる量も少なくなるかと思います。
活かすためのステップその3~スタンダード食を作る~
普段食べているものの栄養成分を知り、身体に入れなければならない栄養素の量を実際に体感したら、最後に『スタンダード食』というものを作ります。
この『スタンダード食』とは何かというと、おおよそで結構ですのでご自身の取らなければならない栄養素を含みカロリーオーバーを起こさない献立&量になります。
※先に入っておきますが、最初はクォリティが低くてOKです。ご飯とお肉みたいな雑な物でもOKです。
使用する食材の品目は少ない方が組み立てやすいですし、使用する食材も栄養成分のパラメーターがとがったものの方が組み立てやすくなります。
ここで重要なのが、何を食べたら良いか困ったときに『とりあえずスタンダード食』といったような形で、立ち返る事の出来る献立の引き出しを1つ作って、そこから徐々に引き出し広げていくことで減量はしやすくなります。
スタンダード食を考えるにあたり重要なのが『キッチリやり過ぎないけれど、外れてすぎないこと』です。
大会に出るボディビルダーであれば寸分違わぬレベルできっちり図ってきっちり計算してとなりますが、そういったレベルでない場合についてはある程度余裕を持つこと、しかし極端に外れすぎないという加減が大事になりますので、極端にストレスになり過ぎない範囲で調節するように心がけましょう。
※スタンダード食ができたら、その献立を主軸としながら少しずつアレンジをしたり、味を変更したりしながら、献立を開発していきます。お惣菜系の購入であれば組み合わせのパターンを考え、組み合わせのレパートリーを増やしていくような感じです。
実行するためのマインドセットその1~段階を踏んでいくこと~
実行する上で重要なマインドセットその1は段階を踏んでいくことで、ご自身の習慣である食生活を変えていくことは思っている以上に簡単ではありません。
一気に変えることに成功したとしても、3日で断念してしまうようでは目標達成することは叶いません。
だからこそ、小さなステップをクリアしていくことがとても重要です。
『できること・できていること』を前提とすると考え方が『減点方式』になるため、心が折れてしまったりストレスになりやすい傾向があるため、『できるとよい・それが増えたら尚良い』というような『加点方式』で考えていくようにしましょう。
実行するためのマインドセットその2~1食の満点よりも平均点をあげていくこと~
1食のクオリティにこだわりすぎる方も時々いらっしゃいます。
しかし、残念ながら減量やダイエットは習慣として見るため、1食だけを見て評価をしません。
仮に1週間の食事を見た時に
月曜日の朝食だけ完璧なバランス・カロリーの食事をとっても、そのほかの食事がテキトーであれば21回ある食事(1日3食計算)の内の1回が与える影響はご想像の通り微々たるものですので、良い結果は生みにくいでしょう。
なので、1食に満点を取りに行って力んだり、ストレスに感じて続かなくなるよりかは、1週間などの一定の期間において平均点を挙げられるような努力をしていく方が重要です。
※裏を返せば1週間の中で1食ラーメンを食べようと、揚げ物を食べようと、他の食事のクオリティが高ければカバーできるとも言えます。(頻繁にラーメンや揚げ物を食べていたらカバーしきれませんが)
実行するためのマインドセットその3~一喜一憂しないこと~
感情の波で食生活を乱さない為のマインドセットとして必要になるのが『極端に一喜一憂しないこと』になります。
こちらについては簡単に言うと
・今日は食事が上手くいったからご褒美に○○食べよう
・今日は昼に食べ過ぎちゃったから、夜はご飯を抜こう
というようなことをしないというような感じです。
食事が上手くいって嬉しくなることや、逆にうまくいかなくて焦る気持ちもわかります。
ですが、それに対し食事の摂取カロリーに極端な波を作ると減量やダイエットに対してマイナスに働くことは多々あります。
小さなご褒美については合っても良いですが、頻繁には行わない方が良いですし(ご褒美は別の形にできるならそれの方が良い)摂取カロリーについての微調節は行っても良いですが、0か100かの様な極端な方法では行わない方が良いです。
なので、あまり食事管理に対しては一喜一憂せずに、淡々と見ていくようにしましょう。
カロリー計算以外の減量・ダイエットテクニック
最後に、カロリー計算以外の部分での減量・ダイエットのテクニックについてもご紹介いたします。
・炭水化物はトレーニングの後で
・食後に散歩
・肝機能保護が基礎代謝をあげる
・プロテインよりリアルフード
・食事を抜くのはNG
・水分の重要性
・血流を良くせよ
・咀嚼せよ
1.炭水化物はトレーニングの後で
炭水化物や糖質を摂取して体脂肪が増える方のメカニズムについてざっくばらんにご説明します。
摂取した炭水化物は分解されて、血液中をグルコースとして運搬され、グリコーゲンとして主に肝臓と筋肉に貯蔵されます。その貯蔵量がいっぱいであると飽和した分だけは中性脂肪として身体に蓄えられる仕組みになっています。
逆に言えば、貯蔵庫に貯蔵してある量が少なく、品薄状態であればそこの補充として使われるので中性脂肪にはなりにくいという事になります。そして高強度のウエイトトレーニングはまさにその貯蔵庫からエネルギーを取り出して行う運動であるため、炭水化物をどうしてもちょっと多く食べたいなどの時は、ウエイトトレーニング実施後に摂ると太りにくい形で摂る事が出来ます。
(多量に摂ったら中性脂肪にはなってしまうので、量に関してはご注意くださいね)
2.食後に散歩
こちらに関しては糖尿病の方へお勧めされたりする内容でもあるのですが、食後に上がる血糖値を緩やかにする目的で食後すぐに歩くという事を取り入れることなどがあったりします。
こちらについては血糖値が上がる事で、身体から上がった血糖を下げる働きを持つ『インスリン』を分泌します。
このインスリンが分泌されると積極的に栄養を身体に取り込む働きが起こるので、減量時やダイエット時には多量に分泌しないように注意したいところではあります。このインスリンの多量分泌を抑えるための方法の一つが、食後の散歩です。
食後すぐに20~30分程度散歩すると血糖値の急上昇に対しある程度の抑制効果が期待できますので、可能でしたらお買い物や犬の散歩などで食後に歩くことを取り入れてみましょう。
3.肝機能保護が基礎代謝をあげる
こちらについては消費カロリーの一つである『基礎代謝』に関わる部分になります。
1日何もせずとも消費するカロリーの量こと基礎代謝ですが、この基礎代謝に関わる身体の組織の3トップが『肝臓』と『脳』と『筋肉』になります。この中で意図的に増やすことができるのが筋肉であるため、基礎代謝をあげるために筋トレをたくさんしましょうの文化が根強くあるのですが、その中でも案外見落としがちなのが『肝臓』の機能です。
肝臓については身体の中のブラック企業とも言われるくらい、体内での様々な役割を担っています。そして別名『沈黙の臓器』とも言われるくらい不調が分らない臓器でもあります。言ってしまえば知らず知らずのうちに疲弊している可能性がある臓器であるため、日頃感じるストレスや飲酒などで疲弊している恐れがあるため、肝機能を保護してあげる行いお酒を飲む方であれば『休肝日を設ける』などをしてあげることも重要です。
※個人的には『シリマリン』『マリアアザミ』『ミルクシスル』などのサプリメント摂取を非常にお勧めします。
4.プロテインよりリアルフード
リアルフードとは肉や魚などの加工されていない、体内で分解しなければならない食品のことを指します。
タンパク質を摂取するためにプロテインは非常に利便性が高く、今となってはコンビニやドラッグストアでも手に入る時代になりました。しかしながら、減量時はその便利なプロテインよりも可能な限りリアルフードで摂って頂くことをお勧めしたいと思っています。
その理由はDIT(食事誘発性熱産生)にあります。総消費カロリーの中の一つとしてこのDITがありますが、これは食べた食品を体内で消化吸収する際に発生する熱量になります。この熱量は分解を伴うリアルフードの方が期待でき、リアルフードよりもプロテインは消化吸収しやすいため熱産生が下がると言われています。
もちろん、リアルフードだとタンパク質と一緒に脂質などのその他栄養素も付いてきてしまう為、そういった配慮は必要にはなりますが、DITや腸内環境も考えるとリアルフードでタンパク質を摂る事をお勧めします。
5.食事を抜くのはNG
この項目は忙しい方や若い方は特にやりがちなのですが、気を付けて頂きたい内容になります。
食事を抜くことで栄養が身体に入ってこない時間が長くなり、結果そのあとに食べる食事の吸収率があがって太りやすくなったり、筋分解を起こして基礎代謝が低下したり、それこそ前の項目で触れたDITの消費が期待できなかったりとあまり良いことがありません。規則正しく身体に栄養を入れることを心がけ、特に忙しい際などは携帯用食料などをうまく活用し、食事を抜くことが無いように気を付けましょう。
6.水分の重要性
水分摂取に関しても減量時は積極的に行って欲しい内容になります。
食事前に飲むことで血糖値の上昇を緩やかにしたり、そもそも多少の満腹感を与えたり。
なにより減量時の食生活におけるPFCバランスは、タンパク質の割合が増え、タンパク質を多く含む食品の中には『プリン体』を多量に含んでいるものも多くあります。※痛風のもとになるものですね
プリン体及び尿酸値をあげない為にも水分は必要になりますので、そういった理由からも水分摂取は積極的に行いましょう。
7.血流を良くせよ
減量・ダイエットを円滑に進めるために、血流を良くする事も重要です。
脂肪は分解、運搬、燃焼の工程を経て消費されていきますし、体内の各組織に栄養を滞りなく届けるうえでも血流は重要になりますので、『身体を冷やさないこと』『お風呂にしっかりと入る』『横になってしっかりと身体を休める時間を設ける』『ストレッチを行う』などわかりやすく取り組めるところから始めて頂けると良いかと思います。
8.咀嚼せよ
見落としがちな内容ですが咀嚼が多い方が満腹感がしっかりと感じられるため、基礎として実践していただきたい内容になります。
また、なかなか咀嚼を意識して実践するのが苦手な方に関しては、調理の段階で咀嚼をせざるを得ない状態を作っていくことも重要で、方法としては『咀嚼を必要とする食材を使用する』『切り方をあえて大きめにする』などがあります。
まとめ
カロリー計算についてかなり詳しく解説したため、なかなかの文章量になってしまいましたがいかがでしたでしょうか?
実際にお店でパーソナルトレーニングをお受けになる方に関しては、そういった目安量などはこちらで計算して資料をお渡ししますのでご安心ください!
体重を管理するために食事量をコントロールするにも、何も物差しがなく手探りからはじめるとかえって筋肉を減らしてしまったり、時間を要したりと、中々思うような結果に行き着きません。
BodyMakeStudio100mile.では各個人に合わせた摂っていただきたい栄養素の目安を算出し、具体的な量の目安と共にご提示いたしますので、ご興味が御有りでしたら是非一度無料カウンセリングにお越しください!
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このコラムを書いた人
深谷のパーソナルジム・100マイル代表 後藤貴明
取得資格
- adidasパフォーマンストレーナー
- NSCA-CPT
- 骨格ベクトルトレーニング認定インストラクター
など
メッセージ
パーソナルジムでの運動や施術が初めての方でもご安心ください!
それぞれのお身体に合わせた運動および、手技をご提供させて頂きます!
体験トレーニングのご案内
ボディメイクスタジオ100マイルでは手軽に当パーソナルジムのパーソナルトレーニングを体験して頂けるよう体験トレーニング(75分・5,500円)を行っております。
お気軽にお申し込みください。
TEL.080-5049-8607
※ご予約以外の営業等のご連絡は全てメールで対応とさせて頂きます。
※セッション中はお電話に出られない場合がございますので折り返させて頂きます。
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